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デイサービスに配食する管理栄養士のエピソード

私が管理栄養士を目指した理由

 私が管理栄養士になりたいと思ったのは、食べる事が好きだからです。
そして、食べる事は、一生必要であり、食べ方によっては病気になる原因にもなるが、健康にもなる事に関心があったからです。 大学では、食べ物のこと、栄養のこと、身体のこと、あらゆる分野を学びました。

人間にとっての栄養とは

 人間は、一生のうちに、お米を約6トン、肉類を約2.2トン、などなどなど・・合計約50トンの食べ物を摂取すると言われています。 50トンという食べ物を想像するのが難しいですが、身体の中では、一生を通して、その食べ物を余すことなく、消化して、身体に利用され、生命を維持しています。

 三大栄養素と言われている炭水化物、タンパク質、脂質は、身体にとって最もバランス良く必要な栄養素です。 炭水化物は、エネルギー源となり、脳を動かし、タンパク質は、筋肉や皮膚など身体を作り、脂質は、エネルギー源や身体の構成成分として、体温維持やホルモンなどを作ります。

 この他に、ビタミンやミネラルなどがあります。 すべての栄養素が身体の何らかのために必要とされ、使われ、身体機能を維持しています。 すべての食べ物が、同じ割合の栄養素で出来ているわけではありません。
白米は、炭水化物が多く含まれ、脂質が少ないです。トマトは、炭水化物が多いがタンパク質が少ないです。 このため、様々な食材を組み合わせたバランス良い食事で、身体の機能を維持する必要があります。

「最後の食事」として満足いただけるか

  私は、色々な食材を取り入れたバランスの良い食事を食べて欲しいと考えています。 そうは言っても 食べられなくなったら大変です。 私は、前職で特養の給食施設で勤務していました。食事箋を受け取り、一人一人の食事の対応を行います。糖尿病のためエネルギー制限、高血圧のため塩分制限など。 その中でも最も悲しい食事箋は、常食を食べていた方が、風邪など何らかの疾病をきっかけに食欲がなくなると下りる刻み食の食事箋です。

そして、数日経つとソフト食の食亊箋が下り… ここまでの形態で、食べてくれていればいいのですが、栄養補助食品をつける指示や、点滴になったため食事中止の食事箋が来ると、数日して、救急車が施設に来ます。 運ばれて行った方々が、再入所することは少なかったです。 調理場の隣りを通り、食堂にいつも行く女性の方がいました。「いつもありがとう」と声をかけてくれるその方と夕食を食べ終わった後は、「おやすみなさい」と交わし、夕食の片付けをして私は帰宅します。

翌日、その女性の食事箋が下り 「永眠のため利用終了」 とありました。この方の最後の食事を提供した者として、本当に満足して頂けた食事だったか。美味しいと思ってくれて、部屋に帰って行ったのか。 未だに答えはわかりません。 人はいつ、居なくなるかわかりません。明日いなくなるかもしれません。その時、最後の食事が美味しく楽しい食事であったと思ってもらえるように、後悔しない様に、私は提供する1食1食を大切にしたいです。

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