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- - 現場の違和感を社会を動かす力に。

2026.07.10

現場の違和感を社会を動かす力に。

現場の違和感を社会を動かす力に。
小川克巳議員
Daymotto Interview

現場の違和感を、
社会を動かす力に。

理学療法士から参議院議員へ。
小川克巳 議員が歩んできた道

自分の信念に従ってやっていると、
どこかで誰かが見てくれている。

この記事について

理学療法士として現場に立ち、教育に携わり、職能団体で活動し、そして政治の世界へ。小川議員の歩みをたどると、そこには「現場の声を社会に届けたい」という一貫した想いがありました。

  • ✓ 理学療法士を志した原点
  • ✓ 現場で感じた不条理と悔しさ
  • ✓ 地域で求められる理学療法士の未来

Index

  1. 医療のそばにいたいという原点
  2. 「理学療法士って何をする人?」から始まった現場
  3. 不条理への怒りが、行動の原動力になった
  4. 現場の声を、制度へ
  5. 地域の暮らしのそばにいる専門職へ

Interview

小川 克巳 議員
参議院議員 厚生労働委員長 理学療法士

現在、参議院議員(2期目)。厚生労働委員長(2度目)、厚生労働部会副部会長、リハビリテーションを考える議員連盟事務局長、産前産後の母体ケアを通じて包括的な女性支援を考える議員連盟事務局長など要職を務め、リハビリ・ケア分野の発展に尽力。

理学療法士として現場に立ち、教育に携わり、職能団体で活動し、そして政治の世界へ。小川議員の歩みは、最初から明確に描かれていた一本道ではありませんでした。

医療への思いを捨てきれなかった学生時代。理学療法士という職種が、病院の中でさえ十分に知られていなかった時代。そして、現場の声が制度や政治に届きにくいという現実。

その時々で出会った人、置かれた環境、目の前の不条理への怒り。そして、「誰かが見てくれている」という実感が、小川議員を一歩ずつ前へ進ませてきました。

今回のインタビューでは、理学療法士を志した原点から、現場で感じた課題、政治の道へ進んだ理由、そしてこれから実現したい未来について伺いました。

インタビュー風景
01

医療のそばにいたいという原点

小川議員が理学療法士を目指したきっかけは、明確な計画というよりも、いくつもの偶然と出会いが重なったものだったといいます。

もともとは文系。法律の道を考えたこともありました。弁護士を目指すという選択肢も、頭の中にはあったそうです。

それでも、医療や医学への思いを断ち切ることはできませんでした。

そんな時、リハビリテーションの学校ができるという話を耳にします。当時はまだ、理学療法士という仕事そのものが今ほど知られていない時代。パンフレットを見ても、正直なところよく分からなかったと振り返ります。

それでも小川議員は、「よく分からないけれど、面白そうだ」と感じました。

医学部に進むことは難しい。けれど、医療の近くにはいたい。人の身体や生活に関わる場所にいたい。その思いが、理学療法士という道へつながっていきました。

Daymotto Point

最初から道が見えていたわけではなく、違和感や直感、人との出会いに導かれて進んでいく。その歩みは、今まさに進路や働き方に迷う人にとっても、大きなヒントになるのではないでしょうか。

インタビュー風景
02

「理学療法士って何をする人?」から始まった現場

実際に働き始めた頃、理学療法士を取り巻く環境は、今とは大きく違っていました。

先輩がいないのは当たり前。病院に就職しても、すぐに理学療法室があるわけではありません。看護師からも、患者さんからも、「理学療法士とは何をする人なのか」という目で見られていた時代でした。

小川議員が最初に感じた大きな課題は、理学療法士という職種の認知度の低さでした。病院の中ですら、リハビリテーションが十分に理解されていない。何をする職種なのか、どのような価値があるのかを、まず知ってもらうところから始めなければなりませんでした。

たとえば車椅子の管理一つをとっても、誰が責任を持つのか、どのように扱うべきなのかが曖昧だったといいます。空気が入っていない。埃をかぶっている。患者さんの生活や移動に関わる大切な道具であるにもかかわらず、十分に管理されていない現実がありました。

それを見た時、小川議員は「これは違う」と感じました。ただ治療をするだけではない。患者さんの生活に関わるもの全体を見る。その人がどう暮らすのかを支える。だからこそ、理学療法士が何を担うのかを示し、周囲に理解してもらう必要がありました。

常に戦いでした。
とにかく知ってもらうことが大事だったんです。

資格として後発だったからこそ、周囲からの理解は十分ではありませんでした。不合理な扱いを受けることもありました。納得できない場面もありました。

小川議員は、もともと反骨精神が強いと自ら語ります。「このままではいけない」。その思いが、少しずつ行動へと変わっていきました。

03

不条理への怒りが、行動の原動力になった

小川議員の話の中で印象的だったのは、「不条理に対する怒り」という言葉でした。

現場で一生懸命に動いている人がいる。患者さんや利用者さんのために、少しでも良くしようとしている専門職がいる。それでも、仕組みや制度、周囲の理解の不足によって、その努力が正当に評価されないことがある。

ある時、医療や福祉の専門職団体が集まる場に、団体を代表して参加しました。医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護協会など、各団体が紹介されていく中で、PT・OT・STの団体は紹介されなかったといいます。

それは、自分一人が軽く扱われたということではありませんでした。自分が代表している会員全体が、軽く扱われたように感じたのです。

その場はセレモニーの席でしたが、小川議員は席を立って帰りました。もちろん、怒るだけでは何も変わりません。

その後、小川議員たちは、その団体のイベント運営に積極的に関わります。自分たちには若いメンバーがいて、実働部隊として動ける力がある。「では、うちがやりますよ」。そうして準備や運営を担っていくうちに、周囲の見方は少しずつ変わっていきました。

小川克巳議員 インタビュー後の写真
Daymotto Point

怒りを、ただの怒りで終わらせない。不条理を感じたら、そこから逃げずに動く。役割を果たし、信頼を積み重ね、立場を変えていく。その姿勢に、小川議員の歩みの核心がありました。

04

現場の声を、制度へ

理学療法士としての現場経験、教育者としての時間、職能団体での活動。そうした歩みの先に、政治の道がありました。ただし、小川議員は、最初から政治家を目指していたわけではありません。

職能団体の活動を通じて、国とのやりとりが増えていく中で、ある現実に気づきます。行政に声を届けても、制度が決まった後では遅いことがある。決まった後に意見を言っても、役所からすれば、「議論している時に言ってください」という話になる。

では、議論している時に、現場の声をどう届けるのか。そこで見えてきたのが、行政だけではなく、立法の場に声を届ける必要性でした。

制度は、現場だけでは変えられないことがあります。目の前の患者さんや利用者さんに向き合うだけでは届かない壁がある。地域で困っている人がいても、専門職が必要性を感じていても、制度が追いつかなければ支援の形にならないことがある。

現場の声は強いんです。
事実ですから。

机上で制度を考えることも大切です。けれど、現場で実際に何が起きているのか。患者さんや利用者さんが何に困っているのか。専門職がどのような葛藤を抱えているのか。それを知っていることは、大きな強みです。

現場と行政。現場と政治。その間に立ち、声を翻訳し、制度へつなげていくこと。それが、小川議員の役割なのだと思います。

05

理学療法士は、地域の暮らしのそばにいるべきだ

これから実現したいことを尋ねると、小川議員は理学療法士の未来について語ってくれました。

理学療法士は今、大きな分岐点にいる。制度の中だけで生きるのか。それとも、地域の中で本当に必要とされる存在になれるのか。

医療の中での理学療法は、もちろん大切です。病院や施設でのリハビリテーションは、今後も必要であり続けます。しかし、それだけではなく、理学療法士はもっと地域の暮らしのそばにいるべきだと、小川議員は考えています。

転倒予防、介護予防、フレイル予防、健康づくり、生活の困りごとへの支援。地域で暮らす人々のすぐそばに理学療法士がいれば、役に立てる場面はたくさんあります。

病気になってから、介護が必要になってから関わるだけではなく、その前の段階で、暮らしを支える存在になること。そこに、理学療法士の可能性があるといいます。

一方で、今の理学療法士は制度に守られている部分も大きい。制度が変われば、働き方も立場も大きく揺らいでしまう可能性があります。だからこそ、制度だけに依存するのではなく、地域の中で住民から必要とされる存在になることが大切です。

小川克巳議員 インタビュー風景
国民に受け入れられてなんぼだと思うんです。
Daymotto Point

理学療法士の可能性は、病院や施設の中だけにとどまらない。地域の暮らしの中で役に立ち、信頼され、必要とされること。そこに、これからの専門職の未来があるのかもしれません。

06

現場の声が、未来をつくる

今回のインタビューで印象的だったのは、小川議員の歩みが、決して華やかな成功談として語られていないことでした。

むしろ、その根底にあるのは、現場で感じた違和感や悔しさです。理学療法士という職種が知られていなかった時代。現場の努力が正当に評価されにくかった時代。声を上げても届かないもどかしさ。不条理に対する怒り。

それでも小川議員は、その感情を行動に変えてきました。知ってもらうために動く。役割を果たして信頼を得る。現場の声を制度につなげる。政治の場で、仕組みを変えるために挑戦する。

一つひとつの積み重ねが、今の小川議員につながっています。

自分の信念に従ってやっていると、
どこかで誰かが見てくれている。

この言葉は、今まさに現場で悩みながら働いている人、挑戦を続けている人にとって、大きな励ましになるのではないでしょうか。

デイフェスは、職種や立場を超えて、人と人がつながり、明日への一歩を見つける場です。小川議員の歩みは、現場の声が社会を動かす力になることを教えてくれます。

目の前の違和感を、なかったことにしない。不条理を、怒りだけで終わらせない。現場の声を、未来へつなげていく。その一歩が、社会を少しずつ変えていくのだと思います。

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プロフィール

小川 克巳 議員

参議院議員 厚生労働委員長 理学療法士

現在、参議院議員(2期目)。厚生労働委員長(2度目)、厚生労働部会副部会長、リハビリテーションを考える議員連盟事務局長、産前産後の母体ケアを通じて包括的な女性支援を考える議員連盟事務局長など要職を務め、リハビリ・ケア分野の発展に尽力している。

肩書き:参議院議員(2期目)/厚生労働委員長/理学療法士。
役職:厚生労働部会副部会長、リハビリテーションを考える議員連盟事務局長などを務める。
活動:リハビリ・ケア分野の発展、産前産後の母体ケアを通じた包括的な女性支援などに尽力。
小川克巳議員プロフィール写真

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