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スキルアップ

世界一分かりやすい利用者の身体機能評価

 利用者さんの生活をより良くする・QOLを向上するためにも利用者さんの身体機能の把握というのはとても大切ですよね。ただ、病院等と比較するとデイサービスでは利用者様1人1人のリハビリに割ける時間は短いのも事実だと思います。
そのため、短い時間の中で機能訓練士だけでなく介護職の方でもしっかりと身体機能評価ができる項目を3つ厳選し、世界一分かりやすく紹介したいと思います。

Barthel Index(以下:BI)

 本人が日常生活の中で『できるADL』を評価し、現状のADLの状態を把握できます。誰でも短時間で評価が可能で、点数で自立度がわかりやすいので、ご利用者様の全体像の把握に役立ちます。
評価項目としては、食事・移乗・整容・トイレ動作・入浴・歩行・階段昇降・更衣・排便コントロール・排尿コントロールの10項目があります。

歩行

食事

階段

 各評価項目に対して『自立』『一部介助』『全介助』の3つの選択肢を選び、点数配分は0点〜15点となっています。

メリット:採点が簡便で時間があまりかからず、ご利用者様の最大限の能力が評価しやすいです。
満点が100点のためご利用者様に説明なども理解しやすい。
デメリット:機能的自立度評価法(以下:FIM)と比較すると点数が大まかで細いADL能力を把握しにくい。
BIで100点満点であっても、電話対応や金銭管理など、生活に必要なより高次な動作に関連する評価はできないため、1人で生活できるという評価はできない。

LIFEの『生活機能チェックシート』『ADL維持等加算』で入力する項目はBIのため、個人的にはFIMよりもBIで評価する方が良いと思います。

握力

 握力を測定するには握力計を使う必要はありますが、短時間で安全に測定する事ができます。

また、握力は下肢筋力や他部位の筋力と相関関係が高く、全身の筋力指標として用いる事ができます。また、握力が男性は25 kg未満、女性は20kg未満の場合にはサルコペニアの診断基準の1つとされています。測定方法は以下の通りとなります。

・直立姿勢で握力計を握り、人差し指の第2関節が90度になるように調整します。
・肘と手首を真っ直ぐに下ろして、握力計を身体と垂直にして測ります。
・左右交互に2回ずつ測定し、左右それぞれの良い方の記録を平均して記録します。

となります。
注意点として握力計を振り上げたり・下げたり、肘や手首を曲げないようにします。
年代別の握力指標は以下をご参照ください。

(引用資料:公益財団法人長寿科学振興財団)

Timed Up & Go Test(以下:TUG)

TUGは10m歩行などのように広いスペースを必要とすることなく、簡単に測定する事ができます。
また、下肢筋力・バランス・歩行能力・易転倒性など日常生活機能との関連性が高いため身体機能評価として広く用いられています。
TUGでは単に歩くという動作だけでなく、起立・着座能力・直線歩行能力・方向転換能力など日常生活により近い場面を想定した評価が可能です。


まず準備物として、コーン1つ・椅子1つ・ストップウォッチ・メジャーが必要となります。
事前準備としては、約4m×1.5m程度のスペースを空け、椅子の前脚から前方3m離れたところにコーンの中心がくるように設置します。
測定毎にメジャーで距離を測って、スペースを用意して、、、などとするのは大変な労力となります。
そのため、私たちの店舗では、測定をする場所を固定して、あらかじめ椅子とコーンを置く位置にテープなどで印をつけることで事前の準備を少なくしています。

測定方法は以下の通りになります。(日本理学療法士協会資料参照)
・開始肢位は背もたれに軽くもたれかけ、手は大腿部の上に置き、両足は床に着くようにします。
・椅子から立ち上がり、3mの目印(コーン)を回って、再び椅子に座るまでの時間を測定します
・測定者の掛け声に従い、一連の動作を『通常の歩行速度』と『最大の歩行速度』で計2回測定します。
・2回の測定後、小さい値(速い時間)の方を採用します。

 また、測定をするに当たって、日常生活において歩行補助具を使用している場合には、そのまま使用し、コーンの回り方はご利用者様の自由とします。

 注意点としては、ご利用者様がコーンを回るときに転倒する可能性が高く、座るときに勢いがつき過ぎて倒れる可能性があるので転倒リスクが高い人はいつでも介助ができる位置でいる必要があります。

TUGのカットオフ値は多くの研究によって報告されています。
・10秒未満の者は自立歩行 11秒〜19秒では移動がほぼ自立 
※ 20~29秒は歩行が不安定 30秒以上は歩行障害あり(坂田 2007)

・転倒ハイリスク者のカットオフ値は13.5秒(Shumway-Cook 2000)

今回は3つの身体機能評価を紹介させていただきました。ぜひご活用下さい!

⇩またこちらでは『CS-30』を紹介しています⇩


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