『事故』が起こった理由と防ぐためにするべきこと
前の記事にて『基本的な介助』や『安全な環境設定』が大切だろうと述べました。
具体的な対策を考える前に、なぜそう思ったのか。
それは事故が起きてしまった際にこのようなコメントがされていたからです。
・付き添っていたが支えきれなかった
・乗車時に油断していた
・自立されている方が立位での運動をしていて
・方向転換時にふらついて
・マシンなどの物に躓いて
私自身が当事者になってしまった経験も正直あります。否定的な事を述べるつもりもありません。
しかしながら、このように振り返るとやはり『基本的な介助』『安全な環境設定』で防げる事故もありそうだと感じませんか?
この『事故』を防ぐ上で、私は2点の考えが大切だと思っています。
1つは、インシデントを防ぐこと。
もう一つは、インシデントがアクシデントとならないようにすること。
まずはインシデントを防ぐ対策に関して
このメインに『基本的な介助』があると思います。
この『基本』を、常に常に常に意識できているでしょうか。
不要な慣れ、過信に至っていませんか?
いわゆる基本的な介助には、以下のような点が挙げられます。
・麻痺側、患側で付き添う
・どの方向に転倒リスクがあるか予測して介助を行う
・移乗時や段差昇降時などは安全な支持脚を考慮する
・歩行時は接地のタイミングや歩幅を合わせる
・できる限り触れておく など
これらの『基本』が出来ていれば防げた事故は多くある気がしています。
一方で予測が難しい『事故』があることも理解しています。では、何を対策するか。
この点では『環境の設定』が大切になる気がします。
まず整理整頓をする。よく聞く言葉ではあると思いますが、実際に運動器具に躓いての転倒など環境に起因する転倒が一定数報告されます。
そのように考えると安全面においても整理整頓の必要性を感じるのではないでしょうか。
下記の2つの画像。どちらが安全そうな環境かは一目瞭然ですね。
また、環境の選択。
例えば椅子の肘掛けは必要か、不要か。つまり肘掛けがあれば座位は安定しそう、一方で方向転換が難しい方にとって肘掛けは障害物になり得るなど。
このように『対象者』によって”良い”環境は変わってくるはず。といった視点が大切です。
そして実際に『事故』が起きてしまった場合。環境への配慮によって差が出ることを実感します。
具体的には、転倒した際の床はどんな素材か。素材によって移動や運動や、車いす駆動などのし易さは変わります。一方で転倒が起きてしまった場合の衝撃も異なることも実感します。
また、壁や物の角への配慮はどうでしょうか。クッションカバーなどを活用し保護できていますか。
実際に転倒が起きてしまった際に、環境への配慮によりその程度は大きく異なります。
このようなことから『基本』、そして『環境への配慮』が非常に重要であると感じています。
正解はありません。情報を得ることで豊富な選択肢を持ち、それぞれの環境や利用者様の特徴によってより良い選択をしていくことが安全で質の高いサービスの提供に繋がるはずです。
まずは防ぐために、そして起きても最小限に留めることが大切であると感じています。
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