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「営業した事ない生活相談員の僕の営業奮闘日記」

 介護の仕事以外の期間も含めると社会に出て仕事を始めて約10年。
いわゆる「営業回り」という仕事は1度もした事はなかった。

営業と言うとスーツで暑い日も寒い日も色々な所を回ってと言うイメージでしかなかった。取引先やクライアント先を訪れて商品やサービスの説明をするというイメージや無理難題を押し付けられても笑顔で対応する仕事というイメージを持っていた。だから、自分には縁のない仕事だと思っていた。
ましてや、介護分野で営業というのは、全くイメージが湧かなかった。介護サービスは事業所とサービス利用者の契約関係であるため、そもそも誰に営業するのか分からない、営業してもしなくても影響ないだろうというぐらいの認識でしかなかった。

こんな意識のまま、相談員業務をやるようになり約2年経ったぐらいのこと。
利用者数が危機的な状況になっていることに気づいた。

「新規利用者が増えない。同時に、既存の利用者の退所が続いてる・・・」

 新規利用者が来なければ店舗の売り上げは落ちる。
体調不良による入院やご家族の事情による入所もあり利用終了など、既存の利用者もいつまでも通い続ける訳ではない。
 なぜ、損益分岐点を下回っている状況になっている事に全く気づいてなかったのか?いや、気づいてはいた。
気付いてはいたが、またすぐに新規の問い合わせが来るだろう。
コロナ渦だから、すぐに動きづらい状況なのだろう。と勝手な解釈をしていた。起きている問題の本質に向き合わずなんとかなるだろうと楽観的に考えていた。
ただ、こういった状況下でも「いわゆる営業」をしていなかった訳ではない。
店舗の空き情報を各事業所にFAXを送り、色々な事業所へ訪問してパンフレットを配っていった。でも、効果はほぼなかった。新規利用の契約1件だけ。その間にも利用終了者が1名、また1名とポツポツと抜けてしまっていた。

「どうして?どうして問い合わせが来ないのだろう。」

「どうして利用者が減ってしまうのだろう。」

「どう営業したら良いのだろう」

「新規事業所への飛び込み営業を増やすしかないか・・。でも効果なかったし・・・」

毎日、毎日、焦りと不安にかられた。
そんな中で、新しく入職された言語聴覚士。どうも、過去に営業経験があるということもあり、恥を捨てて営業への同行を依頼した。「背に腹は変えられない」「藁にもすがる思い」が表現として適切な心境だった。

 この時、事業所で新しく口腔機能向上加算の算定を行う為に利用者、家族、担当のケアマネージャーに説明する必要があった。利用者、家族に関しては本人確認や電話などで連絡して了承を得ていた。
担当ケアマネに対しても、電話で説明しようしたら同行スタッフから

「事業所の営業よりも、まず自分自身を信頼してもらうことが大切ですよ」

「しっかりお互いに顔を合わせて説明することが大事ですよ」

「どんな些細な案件も相談される間柄を目指しましょう」

「具体的な効果を専門職が説明することが大事ですよ」

「アポイントをとって利用者の情報共有することも営業ですよ」

「まずは繋がりのある事業所にしっかり挨拶に行きましょう。新規はその後でも十分です」

と、指摘された。「まさしく!!その通りだ!」と思った。
こんな当たり前のことがまず出来てなかった。いや、考えもしなかったと気付かされた。
今までのやり方は、アポなし訪問でパンフレットと空き情報をお渡しし、施設の特徴を説明して紹介をお願いするだけだった。ケアマネージャーからしたら「そうなんですね」「わかりました検討します」で終ってしまう。
 実際、そうだった。冷静に考えてみる。
具体的な説明もないデイサービスに担当の利用者を任せてみたいかと思うか?思わないだろう。
だったら繋がりのあるデイサービスに任せるだろう。担当している利用者が必要としているサービスを受けてもらいたいから。
 今だからそう思えるが、この時はそこまで頭が回っていなかった。
その後、スタッフと二人で色んな事業所にアポイントを取り事業所周りを続け、多くの気づきや学びもあった。

2つ共有する。

事業所にいるケアマネージャーは1人だけではない!

 担当しているケアマネージャーに実際にお会いし、今回の加算算定の説明をして終わろうとしたら、同行スタッフが「他の方にもご挨拶よろしいですか?」と声をかけ、説明を聞き終わったケアマネジャーが他のケアマネージャーを呼んで頂き、挨拶や店舗紹介、名刺交換をすることになり、その場で見学申し込みまで決まった。

【気付きポイント】
 「担当の人だけに説明して終わり、ではダメです。大きい事業所なら在籍しているケアマネージャー全員と挨拶と名刺交換するぐらいのことをしないと新規獲得に繋がる可能性が広がらないですよ!」
ぐうの音も出ない・・・。本当にその通りで、そう出来ていなかった事の反省と同時に「営業ってすごく面白いやん!」と感じた瞬間だった。

定期的な挨拶や連絡で情報確認

 一度、営業に行って挨拶・名刺交換して満足するのではなく、その後も訪問する。もし、訪問出来ないのであれば電話連絡をして、新規の情報やニーズ確認をする。実際に電話した際に、タイミングよくデイサービス利用を検討しているという話になり、すぐに事業所へ訪問し見学申込み、新規契約に繋がった事もあった。
 コロナ禍でアポイントを取っての事業所訪問をするようになって、新規利用の方も日に日に増え始めた。あんなに新規の利用者紹介がなく悩んでいた期間はなんだったのだろうか。気付いた今、その期間は無駄ではなかったが、スタッフにも店舗にも会社にも悪いことをしたと反省している。
 一時的な物で終わるのではなく、継続して行うことの重要性を感じた。

 まだまだ営業に関しては日々学ぶことばかり。それでも、以前に比べて楽しみながらやれている。確かに、営業は難しいし、他愛のない会話したり店舗をアピールしたりするのは、誰でも最初からできる訳ではない。
だけど、前述したことなら誰でもできる。できることからやってみれば良い。
やっていけば出来るようになるし、コツもつかめてくる。
もちろん、失敗だってあるし、時には冷たい態度であしらわれたり、予想してない辛い言葉を投げかけられることもある。

それでも、自分のアクション次第で依頼や紹介を受けられ、店舗スタッフが利用者に良いサービスを提供したときの利用者の笑顔やご家族からの感謝の言葉、ケアマネージャーからのお褒めの言葉で一気に報われる。
 営業に限らずですが、今までやった事ないことに対しての最初の一歩を踏み出すのって勇気がいる。でも、歩み始めたら最初に感じていた不安や緊張っていつの間にか自信や経験に変わっていくのだろうと思っている。営業も継続し、新たな取り組みにも積極的に挑戦していこうと思うことができたエピソードを共有して締め括る。


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