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デイでの作業療法士のやりがいと必要なスキル!

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私は、これまで合計で約5年デイサービスに勤めてまいりました。
その前は、病院や介護老人保健施設、訪問看護ステーションで働いておりました。
その私が思うのは、デイサービスこそ、作業療法士の働き甲斐、存在価値を示せる場所なのではないかということです!

2019 年度日本作業療法士協会会員統計資料によると、作業療法士協会会員のうち71%の人が病院で働いており、通所介護(デイサービス)で働くものは、1043人で作業療法士全体の1.7%しかいません。
数字で見ると、デイサービスで働く作業療法士は、全国的に珍しいと言えます。

私も新卒で病院に就職しましたし、病院から作業療法士としてのキャリアをスタートする場合が多いと思います。

今回は、デイサービスでの作業療法士のやりがいと必要なスキルについてお話します。

まずは、デイサービスにおける作業療法士としての働きがいについて3つの視点から私の考えを述べようと思います。

1、単位時間の縛りがないので包括的にアプローチ出来る。

私が、病院、老人保健施設、訪問リハで働いていた時に感じたモヤモヤ、それは、病院や老健、訪問リハでは1単位20分という時間的な縛りがあること。

「自分が関わっている時間以外で対象者に関わる時間がない」
「対象者が作業療法の時間以外の時間をどう過ごしているか分からない」
というものでした。

一方で、デイサービスだと個別で関わる時間はありますが、単位数や担当の縛りがないため、包括的に関わるチャンスがあります。

例えば、利用者の送迎に行けば、玄関先の出入りや送迎車からの乗り降りを評価することができ、気になる点があれば専門性を持ってタイムリーに助言をすることが出来ます。

また、トイレや入浴の介助に関わることができれば、手すりの位置や立ち上がりやすい方法などをその場で評価、他職種、ケアマネージャーなどに伝えることも可能です。

2、コーディネーター的な立ち位置で力を発揮できる。

2つ目は、デイでの生活を専門的な視点からコーディネートすることが出来るという点です。

例えば、調理活動をするとしても、利用者さんによって、出来ることが違います。
立って洗い物まで出来る人もいれば、座って皮むきや盛り付けなら出来る人もいます。

誰が、何を、どのくらい、どこまで出来るのかを評価し、1人1人に合わせて活動の環境設定をし、やりがいを引き出すのも作業療法士は得意だと思います。

また、デイサービスの環境的な利点として、人が多く集まるという点があります。
これを生かさない手はありません!
1人で行う作業もいいですが、みんなでやると楽しいこともありますよね。
1人だと難しいけど、何人かでやればできると言うことも出てきます。

「誰かのために」何かをするときって皆さんイキイキするんですよね。

活動の動機付けから、環境設定、役割の振り分けなどを行うときも作業療法士なら身体的な面と心理的な面の両方からアプローチすることに長けていると私は思っています。

3、課題となっている生活行為にダイレクトにアプローチ出来る。

最後に、実際の生活行為にダイレクトにアプローチ出来ると言う点があると思います。

病院などでも、退院に向けて自宅での生活を想定した練習を行うことがあります。
でも、実際にやってみたら出来なかったと言うこともあります。

デイサービスの環境にもよりますが、入浴や排泄関連動作、散歩や調理や洗濯、掃除などの実際の場面で行なってもらうことができ、タイムリーに評価、アドバイスが出来ます。

デイサービスに通う人たちは、自宅での生活でなにかしらの不自由さを感じています。実際に起きている生活課題にアプローチ、解決できた時はとてもやりがいがあります。

身体機能や認知機能に変化がなくても、環境設定を調整したり、やり方を変えるだけでできてしまうこともあります。

最後にデイサービスの作業療法士に求められるスキルを3つ伝えます。

1、全てがリハビリテーションにつながる意識
例えば、送迎に行った先の玄関周りの出入りから、送迎車への乗り降り、食事の時の姿勢、1日を通しての体の動きの変化など、常に評価や介入のチャンスがあります。個別で関わる時間が少ない分、リハビリテーションの目線で観察するマインドが大事です。

2、誰にでもわかりやすく伝える力
これは、経験上ですが、本人や家族、ケアマネ、自店舗のスタッフに説明して動いてもらう必要があります。その時に、納得して動いてもらうのに、大事なのが「正しいことを言うより、わかるように伝えること」です。いくら根拠に基づいて伝えても、納得して動いてもらえなければ意味がありません。
専門用語を使わずに、誰にでもわかる言葉で伝える力が求められます。

3、身体機能、ADLだけでなく利用者の価値観を大切にする

生活期で働いていて思うのは、利用者の暮らしが豊かになるためには、身体機能やADLが向上すればいいかと言ったらそうではありません。人間ですから、本人の価値観や生活背景などの個人因子や家族、地域性などの環境因子が大きな要因となります。

それらを尊重した上での提案がデイサービスのセラピストとして、信頼される理由につながるはずです。

以上、今回は、「デイサービスでの作業療法士のやりがいについて」お話させていただきました。

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