40歳無資格未経験で飛び込んだ介護の世界

　私は40才で介護の世界に無資格未経験で転職しました。愛犬の介護を経験し、介護に興味をもったのが転職のきっかけでした。何も知らないからでしょうが、転職にあまり不安はありませんでした。
ですが、実際に働き始めると不安と戸惑いの連続でした。

不安と戸惑いの連続

　募集要項に運転免許必須とあったのですが、ドライバースタッフだけでなくデイスタッフ総出でハイエースでの送迎。しかも、ほぼ同乗者なしです。運転、迎え、運転、迎え、何度も車を乗ったり降りたりを繰り返しました。

『えっ、そんな事あります？これってデイサービスあるある？』と、不思議でした。
ですが、慣れとは怖いものでハイエースがめちゃくちゃ運転しやすいし、送迎中に利用者様とたくさんのお話ができたし、利用者様をたくさん知れる貴重な時間である送迎が私は大好きになりました。

そしてやっぱりパソコン作業。

　このご時世、パソコン作業は付き物ですね。私はパソコン作業が得意ではありません。もちろん、全ての入力がパソコンというわけではなくタブレット入力もありますが、パソコンを使う機会は多いです。その都度教えてもらい、今は業務で使う程度のパソコン入力は平気になりました。何事も苦手意識をもたないことが大事なのだなと感じました。

　入職前の研修先では丁寧に指導してくれる先輩もいたし、わからない私を優しく見守ってくれる利用者様もいました。わからないことはその都度質問したり、自宅で調べたりしました。
　その後、自店舗に戻り現場に出て強く感じた事は『介護ってチームではないのだろうか？専門職が集まって利用者様をサポートしていくんじゃないの？いち分野の知識あるってだけでそんな偉いの？それって違うんじゃない？えっ、これって普通？そんなことある？』と疑問で仕方ありませんでした。ピッチャーだけで野球はできません。私はベンチにも入れない選手って所でした。

初めての三者面談で号泣し、想いの全て伝えたのを今でも忘れません。業務後に遅くまで人事の方に泣いて相談したこともありました。

言える環境って大切です。３ヶ月に一度の三者面談があり本当に救われました。

未経験でも過去の経験は活かせる

　初日に利用者様と接して『あれ？この感覚どっかで記憶にある』と思いました。それは、過去に経験して一番勉強になった仕事の水商売です。相手は人生の大先輩です。相手の立場、気持ちを考え接する点など介護でも役ったと思います。私はその経験を最大限にいかし、明るく開かれた介護の世界にしたいと思いました。
実は、未経験って一番すごいと思うんです。当たり前を知らないから当たり前は通用しないからです。
介護現場にある固定観念や既成概念に囚われずに、新しい視点で俯瞰して見ることができるって、未経験者や他業界から介護業界に入ってきた人の特権です。

介護職ってどんな仕事？

　野球で例えるなら介護職はキャッチャーであるべきだと思います。

キャッチャーだけは全体を見れる位置にいて司令塔でもあります。私はそんな介護職員でいたいです。いち分野の知識があってもダメなんです。ピッチャーもファーストも必要、辛くなったらタイムをかければいい、それが私にとっては面談でした！
利用者様と距離が一番近いのは介護職員です。だからこそ、自信もって良いんです。全体をみれるのは介護職です。私はタイムを何度もかけたおかげで今のチームは優勝レベルです。
デイサービスはたくさんの笑顔とありがとうで溢れています。

　目標に近づき笑顔の方、お友達が出来て笑顔の方、人とふれあい笑顔を取り戻した方、そんな変化を目にする事ができ、とても嬉しく感じました。中には利用者様がスタッフのように手伝って下さり、ありがとうの気持ちでいっぱいになります。デイサービスは人と人との繋がりを感じられる場所なんだなと思います。
そして、介護職って、そんな繋がりを提供できる場所なんです。

無資格未経験者にメッセージ

　新しく介護業界に入る方、もちろん不安もあるかと思います。でも誰でも最初は一年生です。わからない事から始まる0からの出発なのでプラスしか待っていません。介護職は素晴らしい仕事です。
大丈夫です。是非、チャレンジしてみてください。